シャッターを切った/ペボ 1分物語

「なんて素敵な写真なんだ」

カメラは面白い。

”自分にこんな素敵な写真が撮れたんだ”という感動が面白い。

自分の瞳でみるのが良いに決まってる?

そう思うあなたにこそカメラは向いている。

カメラを構える。ピントを合わせ、絞り、あなたが見つめる主役が浮き出てくる。

言葉の通りの意味のまま、他を背景にする。浮かび上がる”あなたにとっての主役”にシャッターを切る。

この時代だからこそ現像してみる。そのたった数十グラム。重みは格別だ。こんなにも軽いのに気分を高揚させる。陽に透かす。届いた額縁に入れて寝室に飾ってみる。

そしてまた朝を迎える。

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あとがき 【写真用紙のペボ】

その瞬間が来るまで自分が何色に染まるのか、何者になるのか、どこの景色に連れて行かれるのかわからない。

わたしはずっと期待している。この瞬間に人生が始まる。愛してくれるだろうか。飾ってくれるだろうか。

何度もなんども見つめて、話しかけてくれるだろうか。

部屋の照明で色褪せても、透明なフィルム越しにわたしを撫でてくれるだろうか。

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